目の前を不思議なネコが通り過ぎました。
二本足であるき、手には赤いバッグを持って。
ぐねぐね曲がる松の枝の間を、奥へ奥へと。
東京からやってきた姉弟と、不思議なねこが
出会った時、津田の海が変わり始める。
これは、不思議な力をもつネコと、幼いきょうだいが繰り広げる
新しくてどこか懐かしい海の環境ファンタジー。
「ねえきみたち、どこからきたの?」
企画・物語/株式会社オレンジフリー 吉田 ともこ
絵/菅野 由貴子
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- ちゅみ
- お魚が大好きな食いしん坊。
寝ぐらにしていたボートのロープが切れて、津田湾に流れ着いた。
明るくて寂しがり屋。いつも赤いバックを持って二本足で歩く。
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- ウミ
- 小学4年生。おてんばで物おじしない。
思いたったらすぐ行動して周りを驚かせてしまう。
手先が器用で工作が大好き。
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- リク
- 小学2年生。恥ずかしがり屋で泣き虫。
散歩が大好きでいつも石ころを拾っている。
動物や魚の図鑑を見るのが大好き。
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【第7話】
海底のほら穴「見慣れない顔だな。それにへんなかっこうだ」ヒトデはちゅみたちを見て言いました。「そのおかしなかぶりものはなんだい?」 「これでいのちをまもってるんだよ」ちゅみ … -
【第6話】
冒険のはじまり日曜日の朝。今日はみんなで冒険に出る日です。ウミとリクが浜辺にいくと、ちゅみが赤いバッグを持って立っていました。 いつも静かで優しい津田の海ですが、今日はなんだ … -
【第5話】
松神様の教え「天からの贈り物がはやく届きますように…」ちゅみとウミとリクは願い橋でお願いをしていました。 あの日以来、お魚の贈り物がとんとやってこないのです。ち … -
【第4話】
海からの贈り物その夜のことです。 バシャバシャドッサドッサ 軒先で大きな音がしてお父さんもお母さんもウミもリクもみんな表に飛び出しました。するとどうでしょう? イカ、タイ、さ … -
【第3話】
海の邪魔者ある日のことです。ウミとリクは、浜辺を歩いていました。発泡スチロールやワイヤーやレジ袋が落ちています。 「学校で習ったこと、ほんとだったんだ…」 ウミは東京の小 … -
【第2話】
満月のステージ夜になりました。ウミとリクはそっとおうちを抜け出し、ドキドキしながら砂浜へ走りました。 海には、満月の月明かりでまあるいステージができていました。タコやイカや、 … -
【第1話】
二本足の不思議なネコ瀬戸内ブルーの海の中に、小さな島々が点々と浮かんでいました。波は、ゆっくりと近づいては、離れていきます。 「わぁ!きれい〜〜」 ウミがそう呟いた時、目の前で不思 …