【第3話】
ある日のことです。
ウミとリクは、浜辺を歩いていました。
発泡スチロールやワイヤーやレジ袋が落ちています。
「学校で習ったこと、ほんとだったんだ…」
ウミは東京の小学校で
プラスチックゴミのことを勉強したことを思い出しました。
使い捨てプラスチックを減らさないと
生き物よりもゴミの方が多い海になる
上級生がウミガメの鼻の穴に
プラスチックストローが突き刺さった絵を
描いていたのを思い出しました。
いま、みんなで努力しないと大変なことになるんだ。
ウミとリクはだまってゴミをひろいました。
ちゅみもやってきて手伝いました。
「おお、みんなえらいね〜」
石清水神社の宮司さんがやってきて
ゴミをまとめてくれました。
「良いことをするとごほうびがあるよ。
ほら、海を見てごらん。
風がぴたりとやんだ。しずかないい海だ。
神様が贈り物をくれるよ」
ウミネコやユリカモメが海の上をグルグル舞っています。
神様の贈り物って、いったい何だろう?
ウミとリクがいぶかしがっている隣で
ちゅみが舌なめずりをしました。
〜 Another Story 〜
ウミとリクは、東京の三鷹から津田へ引っ越してきました。
お父さんはITエンジニア、お母さんはウェブデザイナー。
二人とも海が大好き。 波の音が聴こえる環境で
子どもたちを育てたいと思っていました。
コロナ禍に入っていよいよその思いは強まり、
ついにロケーションの良い津田で
仕事をすることにしたのでした。
ウミとリクはお友だちと別れるのが
悲しくて大泣きしましたが
今では日増しに津田が好きになってきています。
さて、今回のお話に出てきた石清水神社は、
さぬきの名所「津田の松原」の中にあります。
大きく立派な鳥居、長い参道。
それはそれは威風堂々とした神社です。
「雌雄の別がある」と書かれている狛犬は、
よくある高麗犬ではなく、激レアな日本オオカミなのです。
境内にはたくさんネコを飼っておられて、
足元にスリスリしてくる人なつこい子もいますよ。
素敵な宮司さんのお話を聞くことができたらラッキー♡
ぜひ一度立ち寄ってみてくださいね。
企画・物語/株式会社オレンジフリー 吉田 ともこ
絵/菅野 由貴子